酪農との出会い
大翼さん)
僕が中学3年の頃、「馬を飼ってみないか」と、家畜商の方がうちに来たんです。初めは猛反対していた両親だったのですが、実際に見に行ったら「目が合ったから」と連れてきてしまって。
高校に入ると今度はジャージー牛をすすめられました。そこでも両親はまた「目が合った」と言って連れてきて、それから日課のように牛の搾乳をしていた記憶があります。
開業までの道のり
大翼さん)
大学進学で神奈川に住んだのですが、昔から都会に憧れを持つことがなかったので、ずっと〝卒業して鮫川に戻ったら何をしようか〟と考えていました。そんな中、大学2年のときに実習で酪農に関わって、自分にはこの仕事が合うのかもしれないと思うようになりました。
卒業後は鮫川村に帰ってきて、もとは林だった場所を3年かけて開拓して2014年に『ふぁ~むつばさ』を開業しました。
現在のふぁ~むつばさ
大翼さん)
開業から4年。牛の数は昔と比べると少し増えて30頭ほどでしょうか。
3年前までは震災の影響で出荷先が制約されおり、風評被害もあったので「このまま続けていけるのだろうか」という不安がありました。ですが、全国の仲間から励ましの声を頂いて、販路も少しずつ拡大していき、「自分が間違いないと思うものを作れば結果がついてくる」ということを身をもって実感しました。
今は郡山市の産直市場や古殿町の中華料理屋さん、村内のケーキ屋さんなど県内に出荷しているのと、県外のシェフとのつながりも増えたので、首都圏のフェアや料亭などでも使われています。
昨年結婚し、今年から妻がチーズの加工を始めています。今年度中にチーズを商品化できればいいなと思っています。
奈々さんのおはなし
奈々さん)
出身は山口県です。夫とは大学時代からのお友達でしたが、大学時代は畜産をちょっとかじった程度で、卒業後は地元で化学分野のお仕事をしていました。
結婚することになって、加工の勉強をするために蔵王まで研修に行ったり、軽トラの運転をするためにマニュアル車の運転を習ったりと、新しいチャレンジ沢山してきました。
鮫川村は全く縁のない土地でしたが、結婚する前から夫が地元の友達や商工会青年部の皆さんに紹介してくれていたので、とても心強かったです。どこに行っても「よく来てくれたね」と声をかけてくれて、来てよかったなと思っています。
今でも、仕事を通じで同世代からベテランまで幅広い世代の方と関わることが出来ています。ここでは人とのつながりが一番の安心材料になっていますね。
移住を考えている皆さんへ
「行ってみたい」と言ってくれたら、色々もてなしてあげたいです。地元の仲間に声をかけて、ここで仲間を作るお手伝いをしてあげたい。またこの牧場は観光牧場ではありませんが、搾乳体験やバターづくりなど体験できますので、ぜひご連絡ください。
役場の職員でも、県外出身者や同年代の方が結構いるので、相談すれば快くサポートしてくれると思います。
ファームつばさ
TEL 0247-57-5958
【インタビューに登場したお店】