好きなことを楽しむことができる「余白」[矢祭町の先輩移住者レポート] | 福島県県南地方移住・定住相談所ラクラスしらかわ

好きなことを楽しむことができる「余白」[矢祭町の先輩移住者レポート]

矢祭町地域おこし協力隊
平本 晴香さん
ヒラモト・ハルカ
2021年10月に東京からIターン
先輩移住者

福島県矢祭町に移住した理由

 

東京都稲城市の出身で、高校・大学でデザインを学んだ後、グラフィックデザインの事務所で働いていました。
大学時代から子ども向けにワークショップを企画したり、卒業制作では書籍のデザインをしたりなど、本やイベント企画が好きで「いつか仕事にできたら」と考えていました。

ちょうどその時期に、矢祭もったいない図書館の地域おこし協力隊募集の情報を見つけたことがきっかけになり、2021年10月に矢祭町地域おこし協力隊として着任しました。
「本を通じた町づくり」というミッション自体が自分の興味にぴったりだったことと、生まれも育ちも東京郊外だったので、もっと別の地域でもデザインを活かしてみたい、と思っていたことが、見たことも聞いたこともない福島県矢祭町に移住できた大きな理由です。

 

「何もない」と言うけれど

 

東北最南端の矢祭町は人口5,000人と小さいながらも、鮎の取れる久慈川や、紅葉の美しい矢祭山など豊かな自然に恵まれた町です。
ゆずやいちご・米などの産品はどれも美味しく、町内を走るJR水郡線東館駅の駅前には魅力的なご飯屋さんもあり、生活に困らないライフラインが揃ったコンパクトな地域、というのが私の最初の印象でした。

ただ町の人と話していると、皆口を開けば「矢祭は何もないところだから」と一言。
協力隊仲間と会うと「そんなことないのに、もったいないよね」という話になることが多くあります。

確かに市街地にあるようなゲームセンターやショッピングモールはありませんが、車を走らせれば1時間ほどで行ける距離にあるし、それよりこれだけ自然が楽しめる環境はなかなかありません。

鮎釣りのシーズンには多くの釣り人が久慈川に訪れ、町内では子どもたちの掴みどりイベントも開催されます。
JR水郡線矢祭山駅から程近い久慈川には、あゆのつり橋という名所があり、鮎串を食べながら散策するのがおすすめです。

 

  
あゆのつり橋

 

ハイキングスポットの滝川渓谷では、名前の通りさまざまな滝や渓流が四季折々に美しい風景を創り出し、登頂後は渓谷の中腹にあるお店で美味しいうどんを食べることができます。

矢祭町はその他にも檜山、八溝山などに囲まれており、本格的な登山好きでも日々飽きることなく楽しむことができると思います。
また、宿泊できるロッジ(リフレッシュふるさとランド)やちょっとしたキャンプ場もあり、関東地方や郡山市・白河市方面から気軽にアウトドアを楽しむことができる地域、という印象です。

 


リフレッシュふるさとランド

 

関東からの移住者視点だと、東京から車で3時間ということもあり、友人や家族を呼びやすいと思います。
実際、町内やお店で「関東から来た」という観光客の方とお話しする機会も多く、少し地元が恋しくなっても(自分もいつでも里帰りできるな、と)安心できる部分でもあります。

 

自分らしい時間の使い方を、ストレスなく

 

東京にいた頃は、満員電車やリモートワークなど、人混みか孤立かの極端な生活でした。

地域おこし協力隊になってからは、図書館に行くこともあれば、町内の商店に行くこともあり、日々色んな方とお会いしてお話しする機会が多くなりました。
今は車を持っていないので図書館までは大体歩くか自転車に乗るのですが、その途中で近所の方に「いってらっしゃい!」と声をかけられることもあります。
こんな風に地域の方との繋がりを感じたことは今までないので、嬉しいような恥ずかしいような気持ちになることもありますが、ピリピリとしたストレスはなく、リラックスして日々を過ごせているなと思います。

土日や退勤後など協力隊外の時間では、フリーランスとしていただいたデザインの仕事をすることが多いのですが、大体家に篭ってパソコンとにらめっこしています。
ここは以前の働き方と対して変わらないですが、町や近隣地域の方など身近な方からいただくお仕事も多く、顔を思い浮かべながらデザインできるのは楽しいなと思います。

ご飯に行く、となったら真っ先に思い浮かぶのはJR東館駅前の「あおちゃん家」。
元矢祭町地域おこし協力隊の店主さんが営む定食屋兼居酒屋で、お仕事の合間に昼食を食べたり、協力隊や町内の友達と夕食を食べたり、みんなで気軽に集まって楽しめる憩いの場になっています。

 


あおちゃん家のラーメン

 

 

好きなことを好きなだけ

 

正直なところ、移住してすぐの頃は「コンビニが徒歩5分以内にない!」「映画館が遠い!」など思うこともあったのですが、通販やサブスクに慣れれば大したストレスには感じなくなっていきました。
それよりも都会でストレスだった「どこに行っても人がたくさんいる」という環境が無くなったことが、自分にとってはかなり快適です。
これからの生活では、ずっと始めたかった釣りを始めようかな、とか、友人と県内を色々回ってみようかな、とか、矢祭町が拠点だからこそできることに挑戦したいと思っています。

逆にフリーランスの仕事は場所を選ばないからこそ取り組める部分もあるので、リラックスしながら継続して続けたいと考えています。

町の人たちは何もないと言うけれど、ここには好きなことを好きなだけ楽しむことができる「余白」があります。

もしこれから移住を考えている方も、自分の暮らしたいライフスタイルを叶える場所として、ぜひ矢祭町を訪れてみてください。町の人にちょっと声をかけるだけでも相談に乗ってくれることも多いので、旅行気分で遊びに来て、まずは地域の雰囲気や魅力を知ってもらえたら嬉しいです。

 


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