しらかわで見つける「私らしい」働き方。もう一度、女性が社会とつながる最初の一歩を応援

鷲谷 恭子さん、片野 千春さん、小林 さん、藤東 恭子さん
先輩移住者

夫や子供との暮らしは、穏やかで幸せなはず。なのに、ふとした瞬間に「社会から取り残されているような焦り」を感じることはありませんか?

子育てが一段落したら復職したいけれど、ブランクの不安や、慣れない土地での仕事探しに、どう一歩を踏み出せばいいか分からず立ち止まってしまう。そんな悩みを抱えているのは、決してあなた一人ではありません。

今回お話を伺ったのは、白河市で女性の就労支援事業を運営する事務局の皆さんです。実は、彼女たち自身もかつては同じ悩みを抱えていた当事者。この記事は、そんな彼女たちが本音で語り合ったインタビューです。

「高い目標なんてなくていい」
「後ろ向きなままでも大丈夫」

読み終える頃には、あなたの心にふんわりと、新しい一歩を踏み出すための光が灯っているはずです。


目次

プロフィール

ブレーキをかける、移住とブランクの不安

緊張が「楽しさ」に変わる体験

事業を通じて得た気付きと変化

迷いの中にいる人へ贈るメッセージ

ほんの少しの勇気で、まずは覗いてみて

地域も、あなたの味方

白河市で見つける、新しい「私」の物語


鷲谷 恭子㈱ケイリーパートナーズ代表取締役CEO。白河市「女性に寄り添うライフ・ワークサポート事業」に代表事業者として運営に携わる。

片野 千春:白河市在住。ケイリーパートナーズ白河オフィスのマネージャー。白河市「女性に寄り添うライフ・ワークサポート事業」では全体運営を担う。2児の母。

小林 文:郡山市在住。子育てをしながら自身のキャリアを模索し、ケイリーパートナーズ入社。白河市「女性に寄り添うライフ・ワークサポート事業」では各イベントの企画運営に関わる。

藤東 恭子:郡山市在住。結婚を機に福島市へ移住。その後、夫の転勤で白河へ引っ越し、2人のお子さんの妊娠・出産を経験。

(聞き手)福浦 真奈美


 

 

ー ブレーキをかける、移住とブランクの不安

 

福浦 皆さんは今でこそ運営側として活躍されていますが、元々は働くことに対して様々な不安を抱えていたと伺いました。最初の一歩を踏み出す時、どのような感情を持っていたのでしょうか?
小林 私は「このままだと子育てだけになってしまう」という危機感を持っていました。働きたいと思って最初に行動したのがケイリーパートナーズ創業時のワークショップでした。実際に参加してみるとはじめは周りの方がみんなすごい人に見えてしまい「自分は場違いではないか?」という引け目も感じ、不安でいっぱいでした。
片野 ワークショップの事務局として見ていても、はじめて参加される方はほとんどが「どんな人たちがいるんだろう?」と不安そうな表情で、おっかなびっくりいらっしゃっていると感じています。
福浦 女性は特に「私なんか」とネガティブな感情を持ちがちですよね。
短い周期で家族の勤め先の転勤が発生する、いわゆる「転勤族」の藤東さんは、働くことのハードルがより高かったのではないでしょうか?
藤東 私自身も含めて、転勤族の人たちは「仕事にようやく慣れた頃に、夫の転勤で辞めなければいけなくなるのは職場に申し訳ない」という罪悪感がブレーキになっていることが多いです。「3年くらいはこの地域に居られるかな?」と見積もっていても、急に1年で異動になるケースもありますし。
鷲谷 未来予想が立たない状況だと「私は転勤族だから仕事は探せない」と最初から就職を諦めてしまう傾向がとても強いんですよね。
片野 あと、イベントにいらっしゃる皆さんには「子供を預かってもらうなど、周囲に協力を仰いでまで参加してもいいのか?」と葛藤されている方も見受けられました。
鷲谷 参加者の皆さんを支援していて感じたことは「一歩を踏み出すハードルは非常に高くて、スタート地点に立つまでが非常に大変」ということでした。でもその一方で、「〇〇家のお母さんや奥さん」という家族の一員としての自分だけではなく「私という個人として社会と繋がりたい」という切実な思いを抱えている女性も少なくありません。

 

ー 緊張が「楽しさ」に変わる体験

 

福浦 不安や緊張、葛藤を抱えた参加者の大きな変化を感じた瞬間はありましたか?
藤東 私が同行した市内の企業を訪問するバスツアー企画では、企業の方の説明を聞くうちに参加者のみなさんがどんどん、会社や仕事の内容に興味をもっていく様子が見受けられました。就職活動の企業訪問とは違って、同じような立場の方と一緒に企業を訪問できたことは、参加へのハードルが低く、生きた情報が得られるいい機会になったのだと思います。
小林 実際の職場を体験するインターンシップ企画では、初日の朝は表情も仕草も固かった参加者が、2日間の体験を通じて「楽しかった」と晴れやかな笑顔に変わっていく姿が非常に印象的でした。
福浦 実際に企業と関わることで、参加者の気持ちや考えに変化があったのですね。
小林 ロールモデルとなる女性社員の方から直接お話を聞けたことも、とても心強かったのかなと思います。子育てをしながら働くリアルな話を聞けたことで「私にもできそう」という安心感が生まれたのではないでしょうか。
藤東 私自身も、社長や社員の方の熱い思いに触れるうちに、実際に働く自分のイメージが具体化し、「ここなら働けるかも」と前向きな意欲が湧く瞬間がありました。同じように、参加者の皆さんもそれぞれ得られるものがあったと思います。
片野 プログラムの内容ももちろん大切ですが、参加者と近い立場の事務局スタッフが丁寧に寄り添い、参加者同士がつながりを深め、心理的な安全性が生まれたことも変化の一因になったのではないかと思っています。
鷲谷 「今の自分のままでも歓迎されるんだ」という安心感と、リアルな体験が合わさることで、皆さんの心のブレーキが少しずつ外れていったのだと思います。

 

ー 事業を通じて得た気付きと変化

 

福浦 この事業の運営を通じて、皆さん自身になにか得られたものはありましたか?
小林 この1年は、改めて「働く」ということについて考えさせられた時間でした。企業にはそれぞれ、社会をよりよくしていこうというミッションがあり、その考えに触れる機会も多くありました。
私自身も事業を通して自社のミッションを再認識することができ、ただ働くだけではなく、その思いに共感することで、仕事への向き合い方も少しずつ変わってきたように感じています。
片野 わたしはチームで働くことのよさを感じました。例えば、フリーランスなどのようにひとりで働くといった選択も可能ではあると思うんですが、ひとりですべてを完璧にするのではなく、自分に行き届かないところがあってもスタッフみんなで自然と補い合える、組織ならではの心強さを再認識しました
福浦 そういった環境は女性が働きやすい環境でもありますよね。
片野 そうですね。チームや組織で動くことの大きな価値だと思います。

 

ー 「本当に大切にしたいこと」を探そう

 

福浦 今回の事業を通じて、参加者の皆さんに一番伝えたかったことは何でしょうか?
鷲谷 今年度のテーマとして掲げた「Your Story, Your Colors」に集約されています。キャリアに唯一の正解はなく、一人ひとりの現在地や目指したい方向がバラバラなのは当たり前。だから、みんながそれぞれ違っていていい。そんな多様性を尊重し、認め合える場を県南地域につくることで、地域に住んでいる方も、地域の企業も、それに触れ、よりよい社会を作っていくきっかけになれたらと思っていました。
片野 まずは一度やってみて、上手くいかなかったら次のステップを探すこともできます。正解がないからこそ、間違いもないと、私は思います。
それでも、「土日は家にいなければ」「子供がいるからこの時間は無理」と、周囲の意見や自分自身の思い込みで制約を設けてしまう方も少なくないんですよね。
鷲谷 大切なのは、そういった制約を一旦横に置いて「自分が本当に大切にしたいもの」を深掘りしていくことです。とはいえ、当たり前だと思い込んでいる部分を一人でほぐすことは難しいので、第三者の力を借りていくのが良いと思います。
福浦 決められた条件の中からできることを見つけることもひとつの方法ですが、やりたいことを実現するために条件を整えていくこともひとつの選択肢ですよね。「今のままで大丈夫」「私らしくいていいんだ」と認めてあげられると、心が軽くなりそうです。

ー ほんの少しの勇気で、まずは覗いてみて

 

福浦 実際に一歩踏み出そうしたときに、「将来のキャリアを完璧に描かなきゃ」「バリバリ働くぞ!」といった強い目的意識が必要だと思ってしまう方も多いと思うのですが。
鷲谷 「気になったから覗いてみる」程度の軽い気持ちで大丈夫です。実は、ここにいるメンバーも参加者の皆さんも、最初からそんなに高い目的意識があったわけではありません。むしろ、自分でハードルを上げてしまうとますます動き出しづらくなってしまいます。
小林 私自身も、最初は「ちょっと外に出てみようかな」くらいの、本当に小さな一歩でした。
藤東 私も同じです。転勤族でいつ引越しになるか分からない状況だったので、長期的なキャリアを考えていたわけではなく「どこかと繋がりたい」「なにかやってみたい」という社会参加への思いからでした。お世話になっている方が「気楽に参加してください」と言ってくれたおかげで、背中を押してもらえた部分もあります。
片野 自分一人で抱え込んでいるときは弱気になりがちですが、「一人じゃない、味方がいる」と知ることで、少しずつ強くなっていけるものです。まずは今の自分にできることを試すくらいの気持ちでいいと思います。
福浦 どんな場所でもいいから、まずは誰かと関わってみる。関わりを通じて自信や自分らしさを見つけていく。その積み重ねが大切かもしれませんね。

 

ー 地域も、あなたの味方

 

福浦 バスツアーやインターンシップの受け入れ先となる白河市の企業にも変化があったのでしょうか?
鷲谷 事業から得た女性目線での気付きを踏まえて求人票を見直した企業や、柔軟な雇用枠の検討・導入を始めた企業などがありました。ただ正直なところ、白河市全体で見ると、柔軟な雇用体制を敷ける職種はまだ限定的で、女性にとって働き方の選択肢が十分とは言えない現状があります。
小林 求人情報だけでは、実際の社風や働き方は分かりづらいという問題もありますよね。就職後の生活をイメージする情報が不足していると、女性と企業とのミスマッチが起こってしまうのではないかと思います。
片野 その一方で、企業側は「人手不足なのに、募集しても人が来ない」という悩みを抱えています。バスツアーでは、積極的に質問する女性たちの熱量に触れ、「こんなに意欲的な人たちが地域にいたのか!」と衝撃を受けたという声をいただきました。
鷲谷 だからこそ、私たちは雇用に悩みをもつ企業へ向けたアドバイスにも取り組んでいきたいと考えています。長く働ける職場が増えることは、女性の就業支援にも繋がりますし。
福浦 白河市全体に活気が生まれていきそうですね。
片野 そうですね。働きたい女性と、変わろうとする企業、それを支える行政。三者の思いが相乗効果を生む、良い循環が今の白河には生まれ始めています。
藤東 私は白河市外へ転居したことで客観的な視点で白河市を見るようになり、子育て支援の手厚さや行政の熱意の高さを再認識しました。また、事業を通して、地元のために心を込めて働く社長さんたちの熱意にも触れ「白河ってやっぱりいいな」と、ますます好きになりました。
鷲谷 白河市は、幸せに暮らせる地域を自分たちで作ろうとする意欲が非常に高い地域性があるということを実感しています。バスツアーやインターンシップは企業への負担も発生する取り組みであるにも関わらず、快く受け入れてくださいました。また、昨年度から継続して事業に関わってくださる企業も少なくありません。
地域課題へ主体的に向き合う姿勢をもつ白河市ですから、働き方のアップデートに取り組む動きは今後さらに加速していくと思います。
福浦 人の魅力も白河市の貴重な財産ですよね。
小林 一歩外に出れば同じように悩んでいる仲間もたくさんいますし、背中を押してくれる人も必ずいます。不安や怖さもあるとは思いますが、ぜひ勇気を出して、きっかけを掴んでもらえたら嬉しいです。

 

「私なんかが、参加してもいいのかな」
「ブランクがある私を、受け入れてくれる場所なんてあるのだろうか」

そんな不安を抱えながらこの記事を読み進めてくださったあなたへ。

今回見えてきたのは、白河市という地域の温かさと、より良い働き方をみんなで実現するために動き出した人々の思いでした。
「社会と繋がりたい」という思いを、無理に「キャリア」という言葉に置き換える必要はありません。
今の自分を否定せず、自分の興味を足がかりに、今より一歩だけ外に出てみる。
そこから生まれる誰かとの繋がりが、見える景色を変えてくれるでしょう。

「白河市にはどんな仕事があるのか見てみたい」

そう思ったときはぜひ、福島県が運営する「しらかわ地域に特化した転職サイト」を覗いてみてください。

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