【移住者受入団体】子育てで移住を考えるひとにおすすめの西郷村・川谷 | 福島県県南地方移住・定住相談所ラクラスしらかわ
西郷村の概観

子育てで移住を考えるひとにおすすめの西郷村・川谷

川谷学区を元気にする会
田中進さん、嶋田文彦さん
先輩移住者

2019地域団体紹介パンフレット【川谷学区を元気にする会】

 


 

川谷のバス停

移住する理由。
それはみんな様々ですが、今回は自然がある環境で子育てしたいという方に選んでもらいたい地域の紹介です。

西郷村の概観

那須連山のふもとにある高原地域、西郷村(にしごうむら)。
近年は人口の流入が多く、福島県で最も人口が増加している市町村です。

地方都市である白河市が隣接しており、新幹線の駅や東北道や国道4号線があることによって、東京や那須、仙台などへのアクセスもよく、日常生活はもとより、休日も充実した時間を過ごすことができます。

西郷村の東部は国道4号線が南北に走り、国道沿いにはショッピングモールなど商業施設が立地。JR東北本線の線路をまたいだ先にも、多くの商業施設が立地しています。

 

川谷地区の風景イメージ

 

一方、西部は那須連山から続く緩やかな傾斜地に手つかずの原生林が残っています。
そこに川谷地区があります。

新白河駅から車で約20分。住宅地、田園風景、原生林を抜けた空が広がる地域です。
高原の環境を生かして高原野菜の栽培や酪農が行われていて、車窓からも広大な牧草地を眺めることができます。

 

川谷小中学校

 

川谷地区の中心、村立川谷小学校と村立川谷中学校。小学校と中学校、皆が同じひとつの校舎で学び、校庭もいっしょに使う珍しい学校です。地区のコミュニティは多くが学校を中心に形成されています。

川谷小・中学校の教育について川谷小学校PTA会長の嶋田さんをお伺いしました。

「教育の一番の魅力はひととの関わりが小さいときから学べることかな」

 

PTA会長の嶋田さん

 

川谷小学校は児童数35名、中学校は生徒数19名(2018年度)。小学校は複式の学級です。

「大きな学校では学年や学級にコミュニティが生まれるけど、
川谷の場合は、みんながお兄ちゃんであり、お姉ちゃんになる。
少人数教育、複式学級であることで、他学年の児童からもいろいろな考えに触れることができる。上級生を頼ることもできるし、時には上級生が下級生を叱ることもある。
多様性を受け入れることと同時に自分の役割を認識できることが川谷で学べることなんだと思う」

代々受け継がれている行事が川谷中学校にはあります。
毎年正月に、受験を控える中学3年生に向けて下級生が紅白の餅をつき、応援の意味を込めて送る行事です。
高校受験は家族や親戚の応援がほとんどだと思いますが、川谷では地域全体で応援する文化があります。学校全体がまるで家族のよう。
少人数だからこそ育まれるものがあるように感じます。

「大人になると会社だけでなくて、趣味や地元の繋がりなど頼るところがあるけど、
児童や生徒は 同一の学年で形成されるコミュニティがほとんど。
だけど川谷の場合は、多世代間の交流や、異なった考えに触れる機会は多いからその点はいいと思うよね」

 

川遊びのようす
(西郷村教育ポータルサイトより引用)

 

そのほかにも農業体験や酪農体験、自然体験など学校行事にPTAが参加することが多いという。

「地域のサポートが手厚いことはもうひとつの魅力。
こどもが卒業した親もPTAの特別会員としていろいろな活動に参加してくれる。
学校だけでなく地域全体でこどもたちを育てていくことが川谷の文化になっている」

地域がこどもたちに関わるだけではなく、逆にこどもたちが地域に関わることもあります。

【レポート】中学生ガイドの川谷観光ツアー
https://rakuras.jp/180928fri_kawatani_jhs_tour/

 

どのようにして川谷の文化は育まれたのか。

「川谷学区は戦後の開拓地。きちんとした学校ができる前、旧兵舎の一隅を教場として授業がはじまったと聞いている」

「先代のひとたちがこの地に学校が必要だと思ったから作ったんだろうね。そうやってできたから、自分たちの学校だという意識が地域に根付いている」

 

少人数校は全国的に統廃合が進んでおり、それは川谷小学校・中学校にも同じこと。
生徒数が減少してしまえばいずれは統廃合の可能性も出てくる。

 

川谷小中学校は統廃合させない。
数年前から学校を守るための取り組みがはじまっています。
発端は4年前。村の教育委員会から中学校の統合について地域に問われたことがきっかけでした。

当時PTAの会長であった田中さん。
田中さんの呼びかけで地域のひとが集まり、住民の意見を聞く場がつくられました。

 

当時PTA会長だった田中さん

 

「話し合いの時間は持ったけど、中学校の統廃合はしょうがないかな、という意見が多かった。部活動もやっぱり生徒が多い方が選択肢もある。だけど、小学校はみんな残したいと思っていた」

2ヶ月に1回程度、地域の方が集まって話を進めていった。危機意識をみんなが持った瞬間があったという。

「あるとき、中学校なくなれば川谷小学校に通わせず、中学校と同じ校区の小学校に通わせるという意見が出た」

中学校がなくなってしまえば、小学校もなくなってしまうんじゃないかという意識にみんなが変わった。
こうして活動ははじまりました。

まず取り組んだことは村内住民への特認校の周知。
川谷小学校・中学校は特認校になっており、児童・生徒は学区に関係なく村内から通学することが可能です。もちろん、通学バスも運行しています。

 

川谷のバス停

 

「当時、特認校の住民へのお知らせは2月だった。2月になってしまうと入学前の学校見学などの行事予定が入っている。その前に検討してもらう必要があるので、村にお願いして11月に変更してもらった」

また、村内に特認校のポスターを掲示し、チラシを配布。西郷村の特認校をウェブで検索しても出てこなかったので、村の教育委員会に特認校の紹介ページの作成もお願いした。

「とりあえずは統廃合の話は見送りになった。しかし、人数が増えなければその先はわからない」

実際、すこしずつ成果が上がっている。

地域内での周知も広がり、生徒は増えてきた。
ある学年では入学時に3名だったのが翌年6人になり、さらに9人になった。
現在は小中学校全体で約10名の児童・生徒が学区外から通っている。

 

授業のようす

(西郷村教育ポータルサイトより引用)

移住者を受け入れるにあたっての話もお聞きました。

「元々、川谷地区は開拓の地。山林を開墾するのは相当な結束力が必要だった。その結束力が故に他の人を受け入れない地域とみられることもあるけど、決してそんなことはないと思うけどね。そもそも長野県や山形県から集まってきた集団なので移住者への理解は深いと思う」

一方で開拓地だからこその課題もあります。
川谷地区には土地や住宅がそう多くはない。

「おじいさんが開拓した土地だから手放したくないという意識があるひとは多いと思う。ただ、ここ数年は空き家も目立ちはじめてきて、子どもが帰ってこない家庭もある。ここ最近、土地を売ることを拒んでいた人に改めて話をしたところ、売ってもいいという返答をもらうことがあった。もともとお互い知り合いだったこともあるけど、可能性があるんだなと感じた」

受け入れる地域にとって、移住者がどういうひとなのかも大切。
先代が開拓した土地だからこそ、大切に使えるひとに繋ぎたい。

インターネットで探しても川谷地区の物件は多くは出てきませんが、地域ならではの繋がりで新しい物件が見つかるかもしれません。

一方、西郷村の中心部では宅地の開発が進んでいます。
住宅価格は安く、建売戸建住宅の価格は2千万円を切るものも。
特認校の制度を利用して通うという選択肢もあるでしょう。

 

宅地開発のようす

 

最後にどのような移住者に来てほしいのかを伺いました。

「他の地域と比べるとPTA行事は多いかもしれない。地域と学校の繋がりがあるのが魅力なので、その魅力を守ってくれるひとに来てほしいと思っている」

「また、川谷地区は昔からじゃがいもの産地だった。いまは高齢化によって農業の担い手が不足している。高原野菜であるじゃがいもやレタス、とっくり芋(長いもの一種)の栽培に取り組みたいと考えているひとがいればみんなで協力したい」

 

田中さんのインタビューの中で印象的だったことがあります。

「将来、限界集落になっているかもしれない。実際になったとしても、“何もやっていなかった”という後悔はしたくない。なんでもいいからやってみる。当たり前だけど、あきらめなければ成功する可能性がある」

 

川谷地区のとある道路

 

川谷学区を元気にする会では移住希望者の対応は1組だけと決めています。
移住希望者は人生を決める選択をする。
だから、受入側も1組を全力でサポートしたい。
地域のネットワークを生かして、求人探しや物件探しなどお手伝いします。

今年度は秋に移住体験ツアーを予定。
まずは地域を知るきっかけにぜひご利用ください。

移住の相談や質問は、川谷学区を元気にする会と連携をしている「定住・二地域居住相談所ラクラスしらかわ」までご連絡ください。

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川谷学区を元気にする会

※ 本記事についてのお問い合わせは、川谷小・中学校ではなくラクラスしらかわへお寄せください。