【移住者受入団体】『志を持って取り組む人を応援したい!』 矢吹町の熱血案内人 | 福島県県南地方移住・定住相談所ラクラスしらかわ

『志を持って取り組む人を応援したい!』 矢吹町の熱血案内人

トイショップウエダ
上田 貴規さん
ウエダ・タカノリ
先輩移住者

(取材日:2019/03/14)

福島県県南地域にある矢吹町。
東北の大動脈である国道4号線や東北自動車道、JR東北本線が通る交通アクセスに恵まれた地域です。
高速バスの停留所の設置も現在計画されていて、さらなる利便性の向上が期待できます。

町独自の子育て支援も充実し、無料の屋内遊び場が整備されているなど子育て支援に力を入れている地域です。

矢吹町は江戸期に矢吹宿が置かれたことにより、現在の商店街の礎が形成されました。
その後JR東北本線が敷かれ、矢吹駅の西側には昔ながらの町が残り、東側には新しくショッピングセンターや新興住宅地が立地しています。

 

話す上田さん

 

「矢吹町は昔から水が手に入らない地域だったから発展しなかった。昭和になり羽鳥ダムが完成したことで地域に水を引け、開拓されていったのがこの町の歴史。」

そう語るのは矢吹町の玄関口、JR矢吹駅構内にあるやぶき観光案内所で出会った、トイショップウエダ代表の上田貴規さん。

矢吹町一帯は矢吹が原と呼ばれる原野が広がっており、明治時代には宮内庁管轄の御猟場が置かれ、戦時中は飛行場が置かれました。多くの人が集まるようになったのは、戦後に羽鳥ダムが完成し、町内に水を引けるようになったことがきっかけです。

福島県人を象徴する言葉に「会津の三泣き」というものがあります。
来たときにはヨソ者の扱いを受け、心通わせ得ると穏やかな人柄に触れる。帰るころには情の深い人柄に触れ、3度涙を流すと言われる人柄が福島県人の特徴です。

「開拓された地域だからこそかもしれないけど、この町の人は外から来るひとに対して抵抗がないひとが多い。福島県のひとはなかなか仲良くなりづらいというイメージがあるかもしれないけど、そのイメージはこの町にはふさわしくないと思っている。」

矢吹町では、はじめて会う方でも気さくに話かけてくれて、矢吹町育ちの上田さんからも一切、近寄りがたい印象は受けません。たくさんのことを教えてくれる矢吹町の方は移住者にとって頼りになるのは違いない。

 

上田さんに街を案内いただいている様子

 

矢吹町の商店街は矢吹駅を中心に約700m。伝統的な酒蔵や今なお手焼きで焼くおせんべい屋さんが残っています。

しかし、商店街は空き地が目立つ。

「東日本大震災で矢吹町は近隣の市町村に比べて大きな被害が出た」

商店街を歩きながら説明してくれました。

福島県のアンケートによると東日本大震災による矢吹町の施設被害件数は142件。傾いた建物の多くは取り壊されました。そして、その多くが現在も空き地のまま。

 

空き地の写真

 

「昨年、商店街にあった飲食店が立て続けになくなってしまった。飲食できるところも減ってしまい活気がなくなってきている。」

そう言って案内していただいたのは駅前にある空き地。現在は店舗募集の看板が掲げられていました。

「ここはラーメン屋があった。商談が行き詰まったとき、ここのラーメンを食べながらうまく折り合いをつけたのはいい思い出。」

 

製材所の跡地

 

道路を挟んだ場所にも廃業してしまった製材所の跡地があります。

「駅前という立地を活かしてどうにか活用したいと思っている場所のひとつ。宮城県石巻市とか、全国的に更地にコンテナハウスを置いて若者がお店をやっているのを目にする。そんな場所があれば活気を取り戻せるんじゃないか。そんな思いを持っている移住者が来てくれればありがたいし、商店街みんなで応援したい」

 

トイショップウエダの外観

 

最後に上田さんが経営するお店「トイショップウエダ」を訪れました。都会で生まれたわたしにとって、商店街のおもちゃ屋さんは新鮮。たくさんのおもちゃが所狭しに並んでいます。

店の奥に踏み込むと壁一面に様々な種類のタイガーマスクが飾られています。さらに驚くのがすべて自作だということ。作るのはマスクだけではありません。訪問したときはFRPという樹脂で形成された剣を製作されていました。

 

笑顔でタイガーマスクを持つ上田さん

 

「町のおもちゃ屋さんが商店街で生き残っていくためには、約10年区切りで販売スタイル構築計画を立て、実行に移すことなど、店を継ぐ前に働いていたスーパーでの経験が生きた。さらに独自の経営方針を付け加えることにより、今も営業を続けられている」

店を継いだ後は、目標としていた店のオリジナル商品であるタイガーマスク製作に挑み、約20年前に販売を開始。そのタイガーマスクを使って、ランドセルを送る伊達直人の事例が各地で起きました。

矢吹町全体が今後どのように発展、維持、飛躍するか。現在、上田さんは地域の小学校に出向き、自身の経験を踏まえて、夢や目標を持ち、計画を立て実行に移すことの大切さをこどもたちに教える活動もされています。

2019年度末には、商店街に公共複合施設の完成を予定しており、公共複合施設と商店街が一体となったまちづくりを検討していかなければなりません。
未来を見据えた、新しいまちづくりが期待されます。

最後にどのような移住者に来てほしいかお答えいただきました。
「移住者が来てくれるのなら、志を持って取り組むひとに来てほしい」

 


現在、矢吹町では地域おこし協力隊を募集しています。
活動内容は協力隊自身が考える、フリーミッション型と呼ばれる募集です。
フリーミッション型の大きな特徴は地域の住民と寄り添いながら活動を進めていくこと。
熱い思いを持って活動に取り組みたいと考えている方にとっては魅力的な地域だと思います。

上田さんをはじめとした、地域住民は心強いサポーターです。

地域に必要とされる生き方はいかがでしょうか。

【募集】矢吹町 地域おこし協力隊
http://junbishitsu.jp/iju/yabuki-chiikiokoshi-190427

 

サポータープロフィール

トイショップウエダ

〒969-0221 福島県西白河郡矢吹町中町191

トイショップウエダのホームページ:
http://www12.plala.or.jp/TOYSHOP-UEDA/index2.html