地域の人でつくる週末限定カフェ
林に囲まれた矢塚地域は、塙町中心部への通学が難しいことから、「塙町立片貝小学校矢塚分校」がありました。
少子化による廃校が決まったとき、地域の分校をなんとか守ろうと組織された団体が、一般社団法人・矢塚明日香塾です。分校跡地がまた賑やかになるようにと、法人の女性会員であるお母さん方が手料理をふるまっているのが「ふるさとカフェ矢塚分校」。土曜日曜のみオープンしています。店長の佐藤さんをはじめとするお母さん方が毎週集まり、けんちんうどんやお手製のパンなどを提供しています。
スタッフのみなさんは、ようこそいらっしゃい、と実家に帰って来たかのように温かく迎えてくれます。
寒暖差の大きい高原地帯・矢塚で育った野菜は、甘みが強く、素材そのままの味が楽しめます。特産のインゲン豆はゆでるだけで調味料もいらないほど。この集落では、畑仕事は女性の方が取り組んでいることが多いです。
「わたしら農家なんで、わたしらの作った野菜をたべて美味しいって言ってもらえるのも嬉しいねぇ。」「気がきいた料理はできないから、母ちゃん料理に母ちゃん弁当。山菜料理や煮物を入れて。 」と佐藤さん。
子どもたちがキャンプに訪れたり、塙町出身者が組織する「東京塙会」や、友好都市の葛飾区民のみなさんなど、地元からも、遠くからも、いろいろな人が山の上の校舎に集まります。例えば、毎月15日に行われる「じゅうご会」に集まるのは、80歳を超えた地域のおじいさん・おばあさん。ふるさとカフェが地域の高齢の方を招待して開催するサロンです。地域の歴史をつくってきた世代を見守る、あたたかく、ゆっくりした空気が流れています。
塙町矢塚地域のくらし
標高700mの阿武隈高地にあります。冬寒く夏は涼しい、寒暖差の大きい地域です。
寝汗をかくような日は一夏に1回2回くらい。網戸にしておけば快適に過ごせます。
その代わり冬は氷点下15度になることも。雪かき・雪道の運転は必須です。地域の中心産業は林業です。